2016/01/29 07:05
ツイッターにも書いたのですが、
朝、目覚めた瞬間、桃の花が頭に浮かんだのです。
濃い桃色のまるっこい花弁と蕾が、一枝にならんでおり、
大きな古木に咲く花ではありません。
お節句の花器に生けているのでもなく、
切った一枝なのです。
その枝はどこにあるのかはわかりません。
テーブルの上でもない、いわば空間に、
キャンバスに描かれた桃の花とでもいえばいいのか、
あのセザンヌの白い布の果物を思い出したのはいまのことで、
でも布もなかった。
しばらく消えない眼の映像を脳で見ながら、
なぜ目覚めた瞬間に桃の花が浮かんだのか考え、
それがわからずじまいでした。
数時間経った午後、自分の桃だとわかりました。
ホームセンターのコメリで買った苗を山荘の庭に植えたのが7年前、
蕾がつき、花弁が開き、緑色の小粒の実が枝に並び、
やがて桃の実になるのでした。
もったいなくて摘花も摘果もできず、
小さくしか育たない実は、
齧ってみるとこれがしっかり桃の味と香りなのです。
その小さな桃の木は転居で庭に残してきました。
別荘の新しい住人はプロ並みのガーデナー、
いまは立派な大きな実をつけているでしょう。
家を建てたとき、最初に植えたのが成木ものでした。
やがて5本のサクランボは実を鈴なりにし、
一夜で小鳥に食べられていました。
小鳥は食べごろをよく知っていて、
明日採ろう、と思った翌早朝、
人より早く枝にやってくるのです。
なぜ目覚めた瞬間に桃の花が目に浮かんだのかがわかりました。
もうすぐ桃の花の季節、
梅が先ですが、
町のあちこちが梅や桃の花で賑わう、それを待つ気持の表れでしょう。
そして屋敷の一隅に置いてきた桃の木に未練があったのだろうと、
自分の心のなかを、夢判断のように分析したしだいです。